「東日本大震災」で被災された皆さまに対しまして、心よりお見舞いを申し上げるとともに、一日も早く被災地が復興できるよう、お祈り申し上げます。

第5回キラク川柳受賞作品発表

じゃんけんぽん あと出しなのに 負ける母

小さい時から慣れ親しんだじゃんけんは、世代を超えたコミュ二ケーションの一つです。じゃんけん【ぽん】とさし出す時の優しい眼差しと笑顔が眼に浮かぶ一句です。優しく手を出す詠者、それよりも尚、深く優しいお母様の後出しは幼い時にしたじゃんけんとまったく変わらない母の愛なのでしょう。幼い時にしたじゃんけんと母の優しい眼差しを思い出し、ほのぼのとした気持ちさせる優しい一句が今年のキラク大賞に選ばれました。

 皆様のおかげで5年目を迎えたキラク介護川柳は、今年も約5000通という沢山のご応募を頂きました。毎年応募してくださる施設様、初めて応募くださる方、またFAXやお葉書で応募くださる方など、応募点数も年々増えており、審査員一同心から感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。

 今年はロンドンオリンピックが開催されたこと、震災から2年が立ち、復興への足掛かりが感じられた年ということで、明るく前向き、そしてちょっぴりユーモアにとんだ川柳が多かったように思います。人間の可能性と力強さ、生きることの素晴らしさ、そしてユーモアにして笑い飛ばす大らかさ、皆様から寄せられた川柳から、私達審査員は、毎年の事ながら多くの事を気づかせて頂き、教えて頂いた様に思います。この瞬間が本当に介護川柳をやって良かったなぁと思う瞬間でもあります。5年目を迎え、この感謝の気持ちを形にしたいと思い、今までの作品をまとめた【5周年記念誌 キラク介護川柳】小冊子を作成しております。とっても素敵な記念誌なので楽しみにしてくださいね。(詳細は後日、ホームページにて発表致します。)

 このキラク介護川柳を通じて、川柳を詠んだり、他の方が書かれた川柳を読むことで、元気になったり、思わず微笑んだりして頂けたら嬉しく思います。応募してくださいました皆様、本当にありがとうございました!そして、影で支えてくださっている皆さん、本当にありがとうございました! 来年もまた、素晴らしい一句に出会えることを楽しみにしています。

キラク介護川柳の部屋 運営事務局

母さんの 笑顔とろける 粥を煮る

お母様のとろける様な笑顔を想像しながら、いきいきとお粥を煮る詠者の姿が思い浮かび、幸せな気持ちにさせてくれる一句です。そのとろける様な笑顔は、詠者に溢れるほどの幸福感をもたらし、その幸福感は明日への生きる活力へと繋がっているのだと思います。とろける笑顔が見たくて粥を作る詠者とそれを心待ちにするお母様、お二人の優しい関係が続くことを願っています。

紅さして はじらい卒寿の 写真撮る

女性にとって口紅は自分を装う特別なもの。口紅をさすことで女性であることを再認識し幸せを感じます。少しはじらいながらカメラの前に立つ素敵な女性と、優しくカメラを向ける詠者の間には、ゆるやかな優しい空気が流れているのでしょう。きっと思い出に残る卒寿のお祝いになったことと思います。卒寿おめでとうございます。これからもお元気で健やかにお過ごし下さいませ。

リハビリの 祖母にあげたい 金メダル

今年、オリンピックがテレビ、ラジオを賑わせ、数多くのメダリスト達が誇らしげに画面に登場していました。でもきっと、本当の意味で金メダルをあげたい人は身近にいて、大きく取り上げられることは無いけれど、すごい頑張りや努力をしている人達だと思います。リハビリを頑張るお祖母様の姿は誰よりも素晴らしく、価値があることだと思います。お祖母様の頑張りを認め応援する詠者とお祖母様に優秀賞を贈りたいと思います。これからもリハビリ、頑張ってくださいね。

鈴木ひとみ賞作品

デイサービスの職員の方の笑顔やご本人のほころんだ顔が思い浮かぶようです。私の義父がデイに通う最初は“しぶしぶ”でした。3ヶ月後には玄関でバスを待っていました。到着のバスに乗っている利用者さんに手を振られて喜んで乗りこんでいたのを覚えています。デイで“今、この時”を楽しんでください。
(評:鈴木ひとみ)

団体賞作品

90名の生徒さんが応募してくださいました。高校生ならではの若い感性で詠まれた介護川柳は、思いやりや明るい希望に満ち溢れ、読む人の心をつかみます。ストレートに想いが表現された純粋な川柳に、事務局一同、心が洗われました。本当にありがとうございました。

順不同 敬称略

賞状および賞品の発送は、10月初旬を予定しております。今しばらくお待ちくださいませ。

キラク川柳特別賞作品と参加賞についてはこちら