「東日本大震災」で被災された皆さまに対しまして、心よりお見舞いを申し上げるとともに、一日も早く被災地が復興できるよう、お祈り申し上げます。

第6回キラク介護川柳受賞作品発表

臥す妻に 聞きつつ炊いた 三分粥

急に床についてしまった奥様の為に慣れない台所で一生懸命にお粥を炊く詠者の姿が眼に浮かび、心が揺さぶる一句です。年齢から推測するに【男子厨房に入らず】で育った世代かと思われます。奥様を想う優しい気持ちが台所に立たせたのでしょう。お互いに支え合い生きるご夫婦の姿を想い浮かべ、審査員一同、ほのぼのとした優しい気持ちになりました。夫婦の愛と絆を詠んだ一句が今年のキラク大賞に選ばれました。目指せ!料理男子!ですね。

 皆様のおかげで6年目を迎えたキラク介護川柳は、今年も約5500通という沢山のご応募をいただきました。毎年応募してくださる施設様、初めて応募くださる方、またFAXやお葉書で応募くださる方など、応募点数も年々増えてきており、審査員一同心から感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます。

 今年の川柳の傾向としては、すべての事を受け入れ、前向きに進んでいこうというポジティブな思いを綴った川柳が多かったように思います。つらいことや悲しいことをユーモアに変えながら前向きに生きていく姿が伝わってきます。捉え方ひとつで物事は大きく違って来ると言うことを改めて皆様の川柳から教わったように思います。

 人間の可能性と力強さ、生きることの素晴らしさ、そしてユーモアにして笑い飛ばす大らかさ、皆様から寄せられた川柳から、私達審査員は、毎年の事ながら多くの事を気づかせていただき、教えていただいています。そしてこの瞬間が本当に介護川柳をやって良かったなぁと思う瞬間でもあります。

 2020年東京でオリンピックが開催されるという明るいニュースも入ってきました。震災の復興が確実に進み、日本全体が明るい方向に進むことを心から願い、キラク介護川柳も少しでも皆様の励みになれるように、これからも続けていきたいと思っています。

 応募していただいた皆様、本当にありがとうございました!そして、応募を陰で支えてくださっている皆さん、本当にありがとうございました! 来年もまた、素晴らしい一句に出会えることを審査員一同楽しみにしています。

キラク介護川柳の部屋 運営事務局

ゆるキャラに 似てるじいちゃん 人気者

女性審査員が口々におじいちゃんに逢ってみたいと盛り上がった一句です。今話題のゆるキャラって、ふなっしー?それともくまもん?誰に似てるんだろう。でもきっと愛嬌のある容姿とみんなに愛される性格で、みんなに笑顔を届けているのでしょう。そして、詠者にとって、そんなおじいさまがとても自慢で大好きな事がこの川柳から伝わってきます。
何歳になってもみんなから愛される人気者、私達の憧れです。これからもお元気でみんなの人気者でいてくださいね。

バスを待つ 杖とバッグと まぁるい背中

詠者の優しい眼差しとまぁるい背中が眼に浮かぶ一句です。デイサービスのバスを待ってるのでしょうか?杖とバッグをもったまぁるい背中はよく眼にする光景です。なんだかその姿にほのぼのとした想いを抱き、祖母を思い出すのは私だけでしょうか?杖をつきながらも自分の足で立ち、力強く生きている、その元気で前向きな姿から私達は沢山の事を学び、元気をもらいます。今日もお元気でと願わずにはいられない想いが詰まった一句です。

抜き返す 車イスでも 血が騒ぐ

まだまだ気持ちは若く、元気で前向き、どんな逆境にも負けない、まさしく血が騒ぐほどの元気さに溢れています。読んだ人がくすっと笑って、なんだか元気になれる、そんな一句です。その前向きな気持ちがあれば、きっと幸せは溢れるほど舞い込んでくるはずです。前向きな気持ちの大切さを改めて気付かせてくれた一句です。
でもくれぐれも気をつけて、安全運転第一で運転なさってくださいね。

鈴木ひとみ賞作品

お元気でチャーミングなおばあ様です。
「こんなに美味しいプリンを嫌いな人はいないでしょ」という挑戦的な目で見つめられたら誰もが‘はい’と答えてしまいます。幸せそうに召し上がる姿を想像させる句です。大好きなプリンをずっと食べられる御健康を願っています。
(評:鈴木ひとみ)

団体賞作品

296句もの沢山の川柳を送っていただきました。職員様の思考習慣のトレーニング活動の一環として、毎月お題を決め、川柳活動を行っているそうです。介護に携わる仕事の中、日々の振り返りなどから生まれてきた川柳をご応募いただきました。介護の現場から生まれてくる川柳は、どれも心をうつものばかりでした。沢山のご応募、本当にありがとうございました。

順不同 敬称略

賞状および賞品の発送は、10月初旬を予定しております。今しばらくお待ちくださいませ。

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