運営事務局の一句

vol.27

一句

詠み手

 デイサービスなどでご利用者の昔話を聞くと、今では考えられない環境で生活されてきたことによく驚かされます。

 私の曾祖母はとても気丈で、87歳で亡くなるまで一人暮らし、最期まで自分のことはほとんど自分でこなし、私たちに手をかけずに逝きました。
 そんな曾祖母ですが、岡山大空襲の時は、やけどを負いながらも途中で少女を助け、命からがら逃げたと言っていました。戦後は働きながら女手ひとつで子どもを育てました。また祖母も、子どもの頃は疎開先で芋のツルを食べ飢えをしのんでいた、それがみんな当たり前のことだった、と言います。
 真冬でもマフラーや手袋があるわけでもなく、食べ物も存分にない生活。物があふれる現代で、今の自分がどれだけ恵まれた環境で暮らしているか。そして、この環境を築き上げた先人達の苦労を思うと、感謝の気持ちで胸が熱くなります。

 「介護は恩返し」 そんなフレーズを、応募いただいた川柳の中でもよく目にします。現実的には介護はとても大変ですが、私も恩返しや感謝の想いで祖母や両親を介護できたらいいなと改めて感じました。

 第5回キラク介護川柳、募集開始から1ヶ月を迎えました。昨年を大幅に上回る応募をいただき、大変うれしく感じています。あと3ヵ月、引き続きご応募、こころよりお待ちしています。

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