運営事務局の一句

vol.30

遠き日を 語る瞳は 輝いて

詠み手

 先日 親族が集まる機会があり 86才になる伯母に久しぶりに会いました。少し認知症の症状があり 同じことを何度も繰り返して言ったり、自分の母親がまだ生きていると思っています。

 そんな伯母ですが、話がはるか昔の若いころのことになると、まわりの皆が驚くほど、知り合いの名前や起こったことを細かくはっきりと語り、まるで当時に戻ったかのように、その眼はとてもいきいきとしていました。

 昔はしっかり者で、自分の子供にはもちろん、姪にあたる私たちにも何かと厳しく、少し怖い存在でしたが、思い出を語る顔は、穏やかで素敵な笑顔でした。

 昨年母が亡くなった今、伯母には母の分まで 元気で少しでも長生きしてほしいと願う毎日です。

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