運営事務局の一句

vol.38

床明けの 手作りジャムの ほろ苦し

詠み手

 いつまでも元気だと安心していた祖母が、急に病に倒れたのは昨年のこと。一時は家族も覚悟を決めていましたが、闘病生活もなんとか山場を越え、今は通院をしながら治療を続けています。

 床に伏している間は、家族で協力しながらサポートしました。本人が一番辛いのでしょうが、家族もだんだんと精神的に疲れてきます。在宅で介護をするということの大変さが身にしみてわかりました。


愛情のたっぷり詰まった
マーマレード♪

 そんな祖母が、毎年、庭になる夏ミカンで作るマーマレードは、我が家お決まりの味でもあります。その味を今年も味わうことができたと思うと、いつもより少しほろ苦く感じました。

 丁寧に、均一の巾に刻まれたミカンの皮には、祖母の愛情がたっぷりと込められています。いつも私のことを心配してくれ、私が喜ぶ表情を楽しみにしている祖母。マーマレードを味わう度、祖母の存在を大きく感じ、感謝の気持ちでいっぱいになるのです。

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