運営事務局の一句

vol.42

孫の名が 会うたび変わり 今は父

詠み手

 私の母は、10年ぐらい前に脳梗塞を発症し、それ以来右半身が不自由な生活を送っております。その病気も影響して、痴呆がだんだん進んでまいりました。

 5年前に父が他界して、その後特別養護老人ホームに入所しましたが私の息子を連れて会いに行くたび、孫の名前を間違えるようになりました。最初は私のいとこの名前、次は母の兄の名前、最近は他界した父の名前で呼んでいます。今まで間違えなかったのは私の名前だけという状態です。

 老いては子供に帰ると言いますが、しぐさ・わがままなど、本当に子供に帰ってしまったようです。そんな愛らしい母を思い浮かべながら、考えた川柳です。

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