運営事務局の一句

vol.55

川風にふかれこころは父のもと

詠み手 キラク川柳の部屋
運営事務局
樋口久美子

私の実家は岡山の一級河川、旭川の下流にあります。
夏の夕暮れになると心地よい川風が吹いてきて、父と一緒によく夕涼みに出掛けていました。うちわを片手に土手をぶらぶら歩きながら、学校のこと、飼っている犬のこと、庭の花のこと、色んな話をしました。普段あまり話ができない私に「夕涼み」という名目で時間を作ってくれたように思います。その時間は私にとって、とても大切な時間だったように思います。
その父も昨年亡くなり、実家に帰ることがめっきり減った私ですが、この季節、川風にふかれると父の言葉と深い愛情を思い出し、豊かで幸せな気持ちになります。

親の愛情って本当に深いと改めて想い、詠んだ一句です。


父とよく歩いた河川敷です。
のどかな風景にいつも心癒されます。

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