運営事務局の一句

vol.64

添える手に祖母の偉大さ身にしみる

詠み手 キラク川柳の部屋
運営事務局
立花 由佳

昨年の敬老の日に、祖母の家にプレゼントを渡しに行きました。85歳なのですが、今も自転車に乗ったり、田んぼや畑仕事をしたりと何でも一人でしようとする姿にこちらが心配になるほどです。そんな祖母ですが、短い時間の中で同じ質問を繰り返したり、背中が丸まってきたりと、最近では歳を重ねていることを改めて感じることも時折あります。
まだまだ元気でいてほしいという思いから、今回は割烹着と花束をプレゼントしました。割烹着が思っていたよりぶかぶかで、祖母の体が小さくなっていることに驚きました。着物を縫う仕事をしていた祖母は、服のお直しも得意なので、直して着なきゃと言ってくれました。まだまだ元気だと一安心。
いつも形に残るものにこだわってプレゼントをしていたのですが、今回は初めて花束も贈りました。想像していた以上に喜んでくれました。花束を持って写真をパチリ。普段祖母の手をじっくり見る事がなかったのですが、花束を握った手を見ると、祖母の小さな手に歴史や苦労も垣間見えました。祖父が亡くなる直前、祖母が自分の手を痛めてまで助けようとしたことを5歳の時のうっすらとした記憶ながら思い出しました。祖母には祖父の分まで長生きしてほしいと強く思った瞬間でした。

バックナンバー一覧へ